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書 名無限の逆説
作 者ボルツアーノ/藤田伊吉訳
出版社みすず書房
シリーズ-

memo
【抄・序】


【目次】


【本文】
p126
我々は、如何なる任意の物をも、否、単なる無の概念さえも、単に一つの性質のみではなく、無限に多くの性質の全体集りがこれに属すべき一つの対象とみなさねばならない。

p127
第59節
 にも拘わらず、次の逆説はやはりずいぶん奇妙に聞こえるであろう。それは、「宇宙の全無限空間は至る所、そして如何なる時にも、諸々の実体で充たされていて、そのただの一点といえども、そこにほんの一瞬でも実体が存在していないということはなく、またただの一点でも、二つまたはそれ以上の実体に共有されることもないようになっているにも拘わらず、しかも〔そこには〕無限に多くの相異なる程度の稠蜜さが存在することができる。空間の相異なる部分は相異なる時間においてさまざまな稠蜜さを以って充たされており、かくして、この瞬間には、例えばこの一立方フィートを充たしている実体の集合が、他の時には、その百万倍も大きな空間内に拡がったり、また別な時には、千分の一もの小さな空間に押し込められ、しかも膨張の際に、大なる方の空間内のどこかの点が空虚になるということもなく、また収縮の際にも、その小なる空間内のどこかの点が二つまたは多くの原子を容れねばならないということもないようになっている」ということである。


【後記・他・関連書】


【類本】
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