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書 名法律講話
作 者戒能通孝
出版社日本評論新社
シリーズ法律学大系第3部-1

memo
【抄・序】


【目次】


【本文】
p125
精神の独立へ
古代的都市国家の内部において、市政に対する個人の背反は、まず第一に、最も理知的な「哲学者」のあいだから起こされるにいたった。ソクラテスさえも含めて哲学者たちは、「高等娼妓どもが国権を私しつつある大会議、饗宴、浮かれ女すら混えた無礼講」等から絶縁し、自らの霊を世外に浮かべ、「天地の深遠を測り、事物の本体を究める」のが、彼らの任務であるとすらしたのである。このためにターレスは既に貧困を哲学者の理想化し、非政治性を誇りとする傾向を示していたが、続いてクセノファネス、ヘラクリツス、アナクサゴラス等々も、家郷の都市に自己の財産を投げ与え、放浪の旅に出ることを、いかにも哲人的な行動と力説するにいたった。精鋭者の政治放棄現象は、貴きもの、聡明なるものの政治を理想とした、いわゆるアガトクラシーの原則には背いている。だからして、哲学者をして政治・立法の仕事にあきらめをもたしめず、無惨に利己的な法規を作ることに代え、永続性ある法規、役に立つ法規、正義に合した法規など、何らかの理知性・合理性と結びつく法に対する要望が、あらゆる反対現象のさなかににも登場したのは自然であった。


【後記・他・関連書】


【類本】
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