書 名 | 言葉といふもの |
作 者 | 吉田健一 |
出版社 | 筑摩書房 |
シリーズ | - |
【抄・序】 |
【目次】 |
【本文】 |
p18 言葉抜きの現実等といふものはない。それ故に科学の世界に現実はないので、事実だけを対象に扱つて言葉を越えることを目指してゐる時に現実などといふものに用はないとも考えられる。我我にとつて何かが動かし難く記憶に残り、精神のうちに確たる場所を占めるといふのはそれがそこで生きるといふことで、それが消えずにゐるのはこれに生命を与え続けるものがあるからであり、それが我々と生命を分かつ言葉である。 |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |