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書 名泉のこだま(詩・美・音楽の世界)
作 者片山敏彦
出版社アポロン社
シリーズアポロン叢書-06

memo
【抄・序】


【目次】
p1…はしがき
-1-
p13…泉のこだま
p28…生きようとする意思
p39…青空の下で
p70…詩を思う
p93…詩心の静かな力
-2-
p105…エマソン
p153…ラビンドラナート・タゴール
p197…ベルナデットの祈り
p202…ゴッホの明るさ
-3-
p211…永遠に母なるもの
p228…蓼科高原
p239…高原の歌
p249…星の花の種
p253…足摺岬行
p267…峠
p269…感動の五重奏
p273…初秋の嵐の後に
p277…原形への愛
p281…早春の便り
-4-
p289…ロマン・ロランとヘルマン・ヘッセ
p320…中心を通じて

p328…既刊著作目録
p331…著者について


【本文】
p13
泉のこだま
 意識の進化において、広がることは高まることである。意識の本質にとっては垂直と水平とがおなじ一つの意味になる。
  *
 意識の核心は愛である。
 愛から来て愛に還る道が、意識の進化の歴史である。
  *
p14
 人間の歴史は、意識の進化の歴史であり、叡智はこの歴史を照らす灯である。


p253
足摺岬行
 一九五七年一月二十七日
 二人の旧友と足摺岬へ行く日である。土佐に生まれて居ながらこの齢まで、まだ足摺岬を見たことがない。東端の室戸岬は高知市からの道がおおむね海岸沿いの平坦な道路であるが、西端の足摺岬へは、山をいくつか越えて紆余曲折の道を行くので少なくとも二泊しないと西海岸の景色を観て帰ることができないので、これまで私はそれを見る機会を得ないでいた。

p258
今夜泊まるはずの土佐清水を通過して足摺岬の地域にはいると椿の木の多いのが眼につき、花の紅もところどころ点々と見える。足摺岬の金剛福寺の前に着いたのは四時半頃だった。そこで車から降りて岬の断崖の上に出る。

 椿咲く森抜け来たれば断崖の眼下はるかに波の寄る見ゆ

【後記・他・関連書】


【類本】
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