書 名 | 叛乱する夢(立中潤遺稿_詩・評論) |
作 者 | 立中潤/北川透 |
出版社 | 弓立社 |
シリーズ | - |
【抄・序】 |
【目次】 |
【本文】 |
p127 冥府論 闇の産卵 ゆめのにごりからめざめてもあなたはそのままにごりのなかにいなければならない 夜のにごりは朝のにごりのなかにとけこみ あさはどこまでもあさのにごりのままなのだから あなたの身体はそんなにごりのなかで大量の闇を産卵する あなたの大切な胎児も闇の袋でありあなたの大切な恋もあなたの大切な詩語もあなたの大切な…もすべて闇の袋である 自分の子供を食べるうさぎはニンジンを食べるように闇を食べ 自らの肉のかたちに闇をふくらませる 皿の上にのせられたあなたの死児たちはあなたが食べ 消化不良のままあなたの肉のかたちにかさねられる いつかすべてが闇になるまでたたかいはつづくのだ 肉はそれまで生きた牢獄をかたち作る 魂はしめあげられた黙従の血液に分散してゆく 無言の悲鳴をながれてゆくのだ |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |