書 名 | 人間にとって |
作 者 | 高橋和巳 |
出版社 | 新潮社 |
シリーズ | 草124-F |
【抄・序】 |
【目次】 |
【本文】 |
p115 想像は、ひとたび飛び立てば、永遠に飛び続けたがるものなのであって、それが既に言語によって表現しうる領域を逸脱してしまったからといって、もはや想像作用がそこにはなくなっているとは言い切れない。 p327 私見によれば、私小説は元来、輸入されたフランスの自然主義的方法が、伝統的な実事求是の精神や、〈芸〉による自己救済あるいは自然法爾の哲学などと融合することによって生みだされたものである。 p329 文学は残念ながら失敗すれば、失敗であり、科学のようには必ずしも直接的な積み重ねは望めない。数多くの同人誌によって、数多くの若い才能が試みようとしている方法的実験も、その多くは埋もれてゆくであろう。しかし、それが精神の自由の自覚に貢献している限りにおいて、やがてより総合的な才能の登場を準備するはずなのである。 |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |