書 名 | 金閣寺 |
作 者 | 三島由紀夫 |
出版社 | 新潮社 |
シリーズ | 草050_H |
【抄・序】 |
【目次】 |
【本文】 |
p95 われわれと世界とを対立関係に置くおそろしい不満は、世界かわれわれかのどちらかが変れば癒される筈だが、変化を夢みる夢想を俺は憎み、とてつもない夢想ぎらいになった。しかし世界が変れば俺は存在せず、俺が変れば世界が存在しないという、論理的につきつめた確信は、却って一種の和解、一種の融和に似ている。ありのままの俺が愛されないという考えと、世界とは共存し得るからだ。そして不具者が最後に陥る罠は、対立状態の解消でなく、対立状態の全的な是認という形で怒るのだ。かくて不具は不治なのだ。… |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |