書 名 | ファビアン |
作 者 | ケストネル(エリッヒ)/小松太郎訳 |
出版社 | 文芸春秋新社 |
シリーズ | - |
【抄・序】 |
(訳者の言葉)より こんなをかしな小説を書いたエリッヒ・ケストネルという作家は、一体、どんな人物か?そして何よりもまづどんな経歴の所有者か? 「小学校の教員にならうとして転向し、或る銀行に勤めて転向し、ドイツの国語学者になるつもりでドクトルの学位を取って転向し、新聞記者になって転向した彼−このドレスデン生れの、中肉中背の、不思議な顔を持つたザクセン人、その顔はしょっちゅう異なってゐて、しかも同じケストネルの顔だ−」 これはハンス・ファラダというドイツの小説家がそのケストネル論の中で彼を批評した言葉である。ケストネルの経歴についてはこれ以外に殆ど書いたものが見当らない。1899年の生まれだといふから、この小説を発表したのは32歳の時である。1917年から18年にかけて軍隊生活の経験もして来てゐるらしい。 そもそもケストネルは抒情詩から出発した作家である。「ファビアン」を書くまでに詩集を三冊と子供のための小説を一冊出している。〜 |
【目次】 |
【本文】 |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |