| 書 名 | 日本古代史の風貌 |
| 作 者 | 佐伯有清 |
| 出版社 | 吉川弘文館 |
| シリーズ | - |
| 【抄・序】 |
| 【目次】 |
| 【本文】 |
| p37 では、「辟百兵」はどうか。これは「辟兵」と同句であって、帯鉤(帯をしめる金具)などの銘文に使われていることが報告されている。この「辟百兵」の句のなかに、私はひきがえるを見つけだしたのである。なぜかというと、古代中国において「辟兵」(兵を辟く)とは「蟾蜍(ひきがえる)辟兵」と同句だからである。「蟾蜍兵を辟く」というのは、つぎのような習俗にもとづく言葉である。 古代中国では、五月にひきがえるを殺して、それを刀剣などの武器に塗って、戦場に赴くと負傷しないと信じられていた習俗があった。つまり「兵害を免れる」という意味が「辟兵」の句に秘められているのである。七支刀の銘文の「辟百兵」も「蟾蜍辟兵」にもとずく吉祥句であるとみなしてよい。 p42 私は「共共」を「恭恭」と解するのが正しいと主張したい。 |
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