書 名 | マルクス論 |
作 者 | ブロッホ(エルンスト)/船戸満之・野村美紀子訳 |
出版社 | 作品社 |
シリーズ | - |
【抄・序】 |
【目次】 |
p7…学生マルクス p17…カール・マルクスと人間(希望の素材) p53…マルクスにおける人間と公民 p63…世界の変革(またはフォイエルバッハについてのマルクスの十一の命題) p123…マルクスと観念論的弁証法 p137…大学、マルクス主義、哲学 p167…マルクス主義における科学概念 p183…エピクロスとカール・マルクス(あるいは原子の落下における主体的ファクター) p191…マルクス、直立歩行、具体ユートピア p209…原注 p218…人名索引 p219…訳者あとがき |
【本文】 |
p178 マルクス主義的社会主義は、有効であるが故に真理であると見なされることを主張するものではない、マルクス主義的社会主義は、現時の社会的真理を解明し、それと同盟している唯一のものとして真理であるが故に、又その限りでのみ有効となりうる。 p179 要するにマルクス主義においては、党派性が思想にアンガージュすることを欲すると同様に、思想の方も、いわゆる真理のための真理としてでなく革命的にアンガージュした思想として、「真理」を、すなわち形成途上の世界を捉えることが要請される。そのためには、行動が同時に思想であり、思想が同時に有効な行動でなければならない。したがって、利害関係のない考察、真理のための真理という意味で、この問題を捉えることは不可能である。こうして観想的生命に代わる活動的生命ではなく、観想的生命を越える活動的生命をもって、あくまでも反省的党派性がつらぬかれる。 〜 原爆時代における実践に対する無関心は、善意の有無を問うまでもなく、すでに犯罪的無責任を含んでいる。 p184 良品は、たとえ古くから伝えられてきたものであっても、完成品ではなく常に形成途上なのである。 p206 目覚めているものこそ予見的に夢見る。つまりそれが何より重要なのだ。新たなものがそう求めるのである。 〜 駆り立てる理想の諸イメージは、それがまるきり主観的要因に還元されてしまわぬかぎり、場を切り開くものである。それらイメージは主体の理想傾向として先取りする。それはまったく正当にも、客体における歴史傾向に先立って現れる。そしてこの歴史傾向は、先取りする夢と必然の対立をなすものでは決してない。 |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |