| 書 名 | 娘に語るお父さんの戦記 |
| 作 者 | 水木しげる |
| 出版社 | 河出書房新社 |
| シリーズ | b713A |
| 【抄・序】 |
| 【目次】 |
| 【本文】 |
| p210 ぼくはいつも思うのだが、軍隊とか戦争は、かなり近代的にみえるのだが、それは海軍サンの方で、陸軍の方は、昔の「白村江の戦い」などとそう変わっていないのではないかと思う。 それは刀が鉄砲になっただけで、十人単位ぐらいのかたまりに長がおり、どなったり、なぐったりしながら、戦ったと思う。 ぼくは入隊したとき、千年前の日本軍を感じてしまったほど、兵隊とか、軍隊というものは意外な感じだった。 だからぼくは、大昔の神無月に出雲に神々が集まるとき、神々があばれるので、家の戸口に大きなしゃもじで、めしをベタッとへばりつけておくと、神々がそれをとって食べるということを、家内の里(出雲)できいたことがあったが、これをきいて、「なるほど」と思った。 南方なんかで、行軍して腹がへると、土人に同じようなことをしたものだ。 すると土人は、芋を戸口の前に置いて、家の中には誰もいないということがよくあった。 |
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