書 名 | 私の紅衛兵時代 |
作 者 | 陳凱歌/刈間文俊訳 |
出版社 | 講談社 |
シリーズ | 現代新書-1008 |
【抄・序】 |
【目次】 |
【本文】 |
p114 文革では、私は辛い目にあった。そして、他人が辛い境遇におかれるのも目撃した。また、ほかの人に辛い思いを味わわせたこともある。私は、ただの愚かな大衆の一人だった。 魯迅は、こう言ったことがある。 「”集団の尊大”と”愛国的な尊大”とは、まず異端者狩りであり、少数の天才に対する宣戦だ。…彼ら自身には、人に誇るような特別な才能はない。そこで、その国を持ち出して自分の盾にするのだ。その国の週間や制度を天まで持ち上げ、これ以上良いものはないと賛美する。自分たちの国粋はこのように栄光に包まれている!だから当然、自分たちも栄光に輝くのだ!…勝利すれば、自分も集団の一員だから、もちろん自分も勝利したことになる。負けても、集団は大勢だから、自分が馬鹿な目をみるとは限らない。群れを作って騒ぎをおこすときには、このような心理が働くものだが、彼らの心理もまたこれと同じだ。彼らの行動は、激しいように見えるが、実は卑劣で怖じ気づいているのだ。…だから、この”集団としての、愛国的な尊大”を多くもっている国民は、まことに哀れで、不幸なのだ!」 |
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【類本】 |