書 名 | アナキスト |
作 者 | ジョル(ジェームズ)/萩原延寿・野水瑞穂訳 |
出版社 | 岩波書店 |
シリーズ | - |
【抄・序】 |
【目次】 |
【本文】 |
p3 アナキズムの運動があげた抗議の叫びは、人間の心理に根ざした欲求のあらわれであり、重要な政治的、社会的な勢力としてみれば、アナキズムはあきらかに挫折した存在であるにもかかわらず、その欲求そのものは、けっしてひとびとのこころから消え去ってはいない。 p122 バクーニンは、革命を遂行するために使用された方法がかならず革命成立後における社会の性質に影響を与えることをはっきり自覚しており、従って革命運動の組織は、革命が設立しようと目指している社会組織の型に類似していなければならないと主張したのである。おそらくこの点にマルクスとのもっとも根本的な相違が存在したのだ。 p128 マルクス主義者にとってパリ・コンミューンは、第一インターが指揮したプロレタリア革命の古典的実例であった。他方アナキストにとってそれは未来のアナキスト社会の鏡であった。 p320 彼ら(アナキスト)は、終始一貫して、誤った種類の革命を行う危険性を指摘してきた。そして、マルクス主義が独裁制に移行し、新たな専制が古い専制に交代するだけであると、彼らが過去100年間の間警告しつづけてきたことは、まったく正しかったことが証明されている。 p321 あらゆる規則を永遠に拒絶する状態は、考え得るもっともきびしい生き方であり、社会的アナキズムと同じように、個人主義的アナキズムも、それを実践する少数の人々しか到達し得ない献身ときびしさを要求する。 |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |