書 名 | 統道真伝-上- |
作 者 | 安藤昌益 |
出版社 | 岩波書店 |
シリーズ | 6789- |
【抄・序】 |
『自然真営道』も、『統道真伝』も、ともに狩野亮吉氏によって発見され、紹介されたもので、それによって始めて世間の注目を浴びるに至った。しかし、大正六年に発見されて、十二年に東京大学におさまった『自然真営道』九十二冊は、一部を残して、殆どが関東大震災のために烏有に帰してしまった。 (中略) 『統道真伝』は、発見が大正十四年であったために、震災からまぬかれたばかりでなく、早急に写本もつくられていた。 |
【目次】 |
p3…はじめに p7…凡例 p21…糺聖失巻 p139…人倫巻 p273…禽獣巻 p375…注 |
【本文】 |
p144 ●始め無く終わり無き自然、五行にして一真なるが、自ら感じて一神気と為る。此の一神気、自進退退進して転定(てんち)と為り、転定の精凝り見われて日月と為り、日月の精、分生して星宿と為り、自然の一真北宮に坐して、自感の神気自運回して転定・人物と為るに、通横逆を以て妙序を行う。 p154 然れども今世の人産まるる所児子の如きには非ず。五穀の精神、転定より大徳初めて人に見わるる則ば、見わるる時は今世の赤子の如きには非ず。裸にて小人なり。然れども未だ腹中に食気満たざる故に未だ交合の念を知らず。惟れより、食を尋ねて食い水を飲む。日を暦るに随って堅身して、男は女を愛し、女は男に随いて転定の道に外れざるなり。 |
【後記・他・関連書】 |
【類本】 |